2004年作品
このアルバムは「ルーツ」と銘打っただけあって、メジャーデビュー前の作品を彷彿とさせる、ジプシー・キングスの原点に立ち返ったかのような作品だ。最小限の打楽器とコントラバス以外は、ジプシー・キングスのギターと歌とを思い切り堪能できる作品に仕上っている。
二曲のFandangoは私の耳には完全なフラメンコに聞える。ギター一本とカンテ(歌)だけの素朴な作品なのだが、私はこのアルバムの中ではこの二曲が最も気に入っている。やはり彼らのルーツにはフラメンコと共通する部分が多いということなのだろう。フラメンコはスペイン南部アンダルシア地方に辿りついたジプシーたちの音楽が「ルーツ」なのだから。
4曲目のBoleriasと13曲目のSoledadも秀逸だ。
私はUK版のDVD付CDを手に入れたのだが、どうせ買うのならばこちらをおすすめする。このDVDは「ジプシー・キングスが田舎の別荘で演奏してゐる風景」とでもいう状況が採録されているのだが、これだけでも十分見る価値のある優れた作品だ。DVDはPAL方式のためテレビでは見ることができないようだが、私のパソコンでは何の問題もなく再生できた。
(註1)この文章は平成20年の文章に一部手を入れたものです。
(註2)DVD付きのCDは現在では入手が困難になっているようです。