Buena Vista Social Club at Carnegie Hall

評価 :4.5/5。

2008年作品

 録音は1998年7月1日。
 本作の発売は2008年。

 発売まで何故十年以上の歳月が必要だったのかは分からないが、聴いてみると音質に古さは感じない。スタジオ録音の前作に劣らない音質と言っても、過言ではないと思う。

 演奏もさすがは重鎮という感じで、ライブ録音ながら安心して聴いていられる。楽しんで演奏している様子である。

 聴いていても楽しい。

 ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブの十年振りの、そして彼らの高齢を考えると最初で最後の続編となろう。

 買って後悔することのない一枚。

 お薦めだ。

Chico & The Gypsies / Freedom

評価 :4.5/5。

2005年作品

 哀愁を帯びたスパニッシュギターのサウンドをポップな編曲で聴くことのできる作品。6曲目のサンディ(Sandy)、7曲目のフリーダム(Freedom)、17曲目のアディオス・アンダルシア(Adios Andalusia)がお薦め。

Buena Vista Social Club

評価 :5/5。

1997年作品

 世界的に大ヒットしたので、曲は聴いたことがなくても、「ブエナ・ビスタ」という言葉くらいは記憶に残っている方が多いのではないか。

 ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ(Buena Vista Social Club)はライ・クーダーが、キューバの引退し半ば忘れ去られた老ミュージシャン達を呼び集めて結成されたグループである。

 映画も秀逸。

 イブライム・フェレール(Ibrahim Ferrer)、ルベーン・ゴンサーレス(Rubén González)、コンパイ・セグンド(Compay Segundo)、オマーラ・ポルトゥオンド(Omara Portuondo)他、多数のミュージシャンが参加している。

 キューバの音楽って、良いね。特に私はアフリカ由来のリズムが好きだ。

 音楽の世界にアフロ・キューバン(Afro Cuban)という言葉があることで判るとおり、植民地支配時代に、アフリカからたくさんの奴隷がつれてこられ、その文化的影響を大きく受けているのがキューバ音楽なのだ。

Eddie Palmieri / Listen Here !

評価 :4.5/5。

2005年作品

 御大、エディー・パルミエリ(Eddie Palmieri)の作品。彼は昨年(2009年)ブルー・ノート・東京出演のため来日したので御存じの向きもあるかもしれない。
 ラテン音楽を期待して購入したが、ジャズ色が強すぎてあまり好きになれなかった作品だが、最近聴きなおしてみると、ラテンのリズムは少々マイルドだが、きちんとラテンジャズになっていて、なかなかよろしい。エディー・パルミエリ音楽生活50周年記念アルバム。

理屈抜きに楽しもう。

Gipsy Kings

評価 :5/5。

1988年作品

 鬼平犯科帳の終りに流れるスペイン風の少し物悲しいギター曲。随分前から気になっていたそれは、雪の中で蕎麦を喰う江戸時代の映像と奇妙に調和が取れていた。最後にジプシー・キングスと出る。曲名はインスピレイションらしい。
ジプシー・キングス。何だ?

 そのうち、良く行く店でこのCDを見付けた。どうやら、鬼平のあの曲も入っているらしい。

 CMで聴いたのだろうか、知っている曲も幾つかあったが、正直言うと独特の節回しで歌われる他の曲には、最初は馴染めなかった。しかし、このCDは何度も聴くうちにだんだん好きになるタイプの作品である。私の経験では、初め理解できなくても、聴込むうちに好きになるようなアルバムは本当に良い作品である。このCDは今や私のお気に入りの一つだ。

 このCDは、ギター好きの方には特にお薦めです。インスピレイションのような、ギター・サウンドが堪能できる曲が他にも収録されています。

 以上、2005年にアマゾンに投稿した私の文章である。今読んでも修正する必要は感じないので、そのまま再掲した。

 ただ一点追記しておきたいのは、ジプシー・キングスは癖が強い分、中毒の恐れがあるということだ。このCDを手に入して以来、私は憑かれたようになって、ジプシー・キングスのCDを買い漁ったことをお知らせしておきたい。

Paco de Lucía / Siroco

 ジョン・マクラフリン、アル・ディ・メオラとのライブ・アルバムFriday Night in San Francisco – Liveを聴けば分かるが、パコ・デ・ルシア(Paco De Lucía)は、天才的なフラメンコ・ギタリストでありながら、「フラメンコ」の枠にとらわれない音楽活動で知られている。特に一時期Jazzに傾倒した。

 その多彩な活動を通して、スペイン南部アンダルシア地方の民俗音楽に過ぎなかった伝統的フラメンコ音楽を、現代に通用する音楽に変革し、世界に紹介したのもパコ・デ・ルシアであると言っても過言ではない。その意味でパコの活躍がなければビセンテ・アミーゴ(Vicente Amigo)も今のような形で聴くことはなかっただろうし、日本に沖仁が現れることもなかっただろう。

 シロッコ(Siroco)とは、地中海沿岸に吹く高温の南風のこと。1987年発表のこの作品は、そんなパコ・デ・ルシアの多彩な作品の中で、非常にフラメンコ色の強い作品に仕上がっている。「フラメンコ」が聴きたかった私は、このCDを初めて聴いたとき、「これだよ、これ」と思ったものである。

 ギターとパルマ(手拍子)で始まる一曲目のLa Cañadaは疾走感溢れる作品。パコ・デ・ルシアのギターが存分に楽しめる二曲目のMi Niño Curroはギター一本で演奏される抒情的な作品。以降、全曲「フラメンコ・ギター」が存分に楽しめる作品である。

 パコの唯一の欠点は作品をだすのが遅いこと。

 最新作はCositas Buenas。2004年の作品だ。

 そろそろ次の作品が出るのではないか、と思うのだが。

Antônio Carlos Jobim / Wave

 ボサノバと言えばAntônio Carlos Jobim、Antônio Carlos Jobimと言えばWave。

 ボサノバの代表傑作である。

 これはBGMとして楽しむことをお薦めしたい。このCDを聴くととてもリラックスできる上に、読書やパソコン作業の邪魔にならない。音楽に集中してしまって、何かの妨げになるということが少ないのだ。

 かといって単に退屈な音楽でもない。

 不思議な作品であるが、ボサノバの金字塔と言ってもよいであろう。

これぞ名盤 Eddie Palmieri / Palo Pa Rumba

 言わずと知れた Eddie Palmieri の名盤。
 Palo Pa Rumba も素晴らしいし、Venezuela も傑作である。

 Eddie Palmieri の作品としては、最初に紹介したい作品であったのだが、残念なことに現在は入手困難となっている。
 入手可能となった時点で、気が付けばまた紹介しようと思うが、今は手軽に入手する方法を私は知らない。

 残念だ。

【2021年9月13日追記】現在もCDは入手困難な状態が続いているが、MP3データは購入できるし、Amazon Music Unlimited でも聴くことができる。Eddie Palmieri の最高傑作の一つなので、是非にも聴いてみることをおすすめする。