2003年作品
このCDを初めて聴いたとき少し驚いた。他の音楽と比較するのがむずかしい、独特な、ジャンル分けの難しい、しかし爽やかで寛げる優しい音楽がスピーカーから流れ出したからである。アルバム・タイトルから「ボサ・ノバ」か、と思えばそうではない。リズムは「ラテン音楽」に近いが、メロディーが違う。このCDではまさに「アフロ・ボッサ」としか表現のできない独自の音楽世界が創り上げられているのである。現在の私はそう結論付けてゐる。
このCDは全体的に水準が高いのだが、特に12曲目が凄い。打楽器の音の洪水。アフリカ風の歌声。スチールパンの音。全てが混沌として混り合い、まさに「アフロ」というべき楽曲に仕上がっているのである。
休日の午後にコーヒーを飲みながら、庭でも眺めつつ聴きたい、そんな作品である。
このCDは現在は新品が流通していないようなので紹介するのをためらったのだが、やはり、純粋に自分が好きな音楽を紹介したいと思うので今回はこれを掲載することにした。ザ・イパネマズのCDは他にも入手しやすいものがある。どれもよい出来だと思うので、入手しやすいものから試してみることも良いと思う。
(註)これは平成20年に発表した文章に一部手を入れたものです