難波弘之 / Party Tonight

評価 :4/5。

1981年作品

 三十年前のアルバムだが、今なお新品を購入することができるのは名盤の証(あかし)だろう。キーボードの名手にして作曲家、プログレの貴公子、難波弘之の二枚目のアルバムである。が、最初のアルバム「Sense of Wonder」はジャズあり、ハード・ロックあり、プログレッシブ・ロックありといった具合で、音楽の方向性が見えてこないアルバムだった。

 それに対して本作は、全体にプログレの軸が一本通っている。特に、そうる透と田辺モットの参加する「パーマー・エルドリッチの三つの聖痕」は圧巻だ。この二人は、難波弘之とSense of Wonderを結成して、「飛行船の上のシンセサイザー弾き」でも、その冴えた演奏を聴くことができる。

Music

  1. Overture
  2. パーマー・エルドリッチの三つの聖痕
    • Eyes
    • Hands
    • Teeth
  3. 夢中楼閣
  4. パーティ・トゥナイト(地球を遠く離れて)
  5. ロスト・ラブ(雨の宇宙空港)
  6. 渇きの海
  7. シルバーグレイの街

Musicians

  • All Keyboards & Vocals – 難波弘之
  • Chorus 椎名和夫、難波弘之(2)、山下達郎、鈴木宏子、和田夏代子、吉田美奈子(7)
  • Percussion – マック清水(4)、山下達郎 (3, 4, 7)、浜口茂外也 (7)
  • Drums – そうる透 (2)、青山純 (3, 4, 6, 7)
  • Bass – 田辺モット (2)、伊藤広規 (3, 4, 6, 7)
  • Guitar – 北島健二 (3, 6)、椎名和夫 (4, 7)

 「夢中楼閣」と「渇きの海」とは難波弘之のアルバムでしか聞けないサウンド。特に渇きの海は面白い構成で、私は結構好きだ。北島健二の無きのギターがすばらしい。

 3、4、7の三曲はポップな曲だが、このアルバムの調和を乱すことはない。難波弘之は小説家でもあって、どの曲もその歌詞の中にSFという別の軸が通っていることが、その調和をもたらしているのかも知れない。

 惜しむらくは、難波弘之の歌唱力がやや物足りないこと。物凄いテクニックで弾きまくるキーボードと比較すると、歌は別人に任せた方が良かったのではないかと思う。しかし、これは難波弘之のリーダー・アルバムなのである。そう考えると、彼の歌にも一応の及第点を付けることは可能である。

 天は二物を与えず、ということか。それを差し引いても、素晴らしい傑作だと思う。

 おすすめしたい。

Eddie Henderson / Shuffle and Deal

評価 :4.5/5。

2020年作品

 これはAmazon Music Unlimitedで見付けたアルバム。Amazon Musicを開いて、ホーム画面のおすすめを何の気なしに聴いてみたら気に入ってしまい、最近はこのアルバムを毎日のように聴いている。そして、ULTRA HDということで、CDよりも高音質で聴くことができるのも気に入っている。

 私は、子供の頃から音楽なしでは過せないほどの音楽好きでだったのだが、ジャズを聴き始めたのが遅く、さらには好きなミュージシャンばかり集中的に聴く性格なので、エディー・ヘンダーソンはこれまで聴いたことがなかったのである。私はハード・ロック好きのギター少年だったのである。エディー・ヘンダーソンは1940年の生まれで、ハービー・ハンコックのグループで演奏していたこともあるようだから、いろいろなジャズをやりつくした人のようだ。一時期ハービー・ハンコックばかり聴いていた時期があるから、そうとは知らずに彼の演奏を聴いたことがあるはずである。

 このアルバムのサウンドは典型的なジャズと言ってよいだろう。非常に洗練されていて、リラックスして聴ける。リズミカルな曲もしっとりとした曲もあって、いつの間にかアルバム最後まで聴いてしまうほどだ。このアルバムでピアノを弾いているケニー・バロンは昔から多数の一流音楽家と共演してきた強者(つわもの)で、このアルバムで聴けるピアノは超一流。このピアノとトランペットとの組合せが私の好みである。

Music

  1. Shuffle and Deal (Eddie Henderson)
  2. Flight Path (Kenny Barron)
  3. Over the Rainbow (Harold Arlen / Yip Harburg)
  4. By Any Means (Cava Menzies)
  5. Cook’s Bay (Kenny Barron)
  6. It Might as Well Be Spring (Richard Rodgers / Oscar Hammerstein II)
  7. Boom (Natsuko Henderson)
  8. God Bless the Child (Billie Holiday & Arthur Herzog Jr.)
  9. Burnin’ (Donald Harrison)
  10. Smile (Charlie Chaplin)

 アルバムリーダーはエディー・ヘンダーソンだが、ケニー・バロンの曲が2曲、ドナルド・ハリソンの曲が1曲含まれていて、選曲のバランスも良いと思う。私は、3曲目のOver the Rainbowや8曲目のGod Bless the Childのようなゆっくりしたテンポの曲が好きだ。ここで聴ける、ケニー・バロンのピアノはとても繊細で美しい。

Musicians

  • Eddie Henderson (Trumpet)
  • Donald Harrison (Alto Saxophone)
  • Kenny Barron (Piano)
  • Gerald Cannon (Bass)
  • Mike Clark (Drums)

Note

Recorded live on December 5, 2019 at Sear Sound Studio C, New York, NY.

 上の表現を見て最初は、いわゆるライブ・レコーディングなのかと思ったのだが、どうも違うようだ。観客を入れてのレコーディングという意味ではなく、スタジオでの一発収録ということなのだろう。Sear Sound Studioというのは、調べてみれば判るが、観客など入る余地のない、単なるスタジオなのである。

 つまり、このNoteの意味はスタジオでの一発録音を言っているのだろう。考えてみれば、それはジャズのアルバムでは珍しいことではない。ジャズという音楽は、再現することのできない演奏(アドリブ)を集めて出来上がっているのだから。

通勤用ヘッドホン Anker Soundcore Life Q30 購入

 通勤用にAnker Soundcore Life Q30を購入した。

 私は音楽が好きで、電車に乗っている間いつも音楽を聴いているのだが、コロナ禍の中、窓が開いた状態で通勤電車が走行するため、騒音がひどくて音楽が楽しめなくなってしまったからである。

 電車の中で音楽で最も重要な低音が全く聞こえなくなってしまったので、イヤホンを変えてみたり、イヤホンのイヤー・ピースを低反発のものに交換してみたりと、いろいろ試したのだが、結局、音楽は私のところに戻ってはこなかった。

 半年ばかり前に非常識なまでに遠い勤務場所に転勤になって、長時間騒音にさらされるのが耐えがたくなってきたのもあり、とうとうノイズキャンセリング機能付きのヘッドホンを購入してしまったのである。

Anker Soundcore Life Q30

 ノイズキャンセル機能付きのイヤホンも検討したのだが、BOSEやSONYのノイズキャンセル式ワイヤレスヘッドホンに憧れていたので、同じような機能が圧倒的低価格で手に入るAnkerのヘッドホンを選択してみた。イヤホンと比較して、特に低音再生においてドライバーの大きなヘッドホンの方が有利と思われたことも、ヘッドホンを選んだ理由の一つである。

 購入を決めるまでに、レビューを読んだり見たりして随分と調べたのだが、最終的に音質やノイズキャンセリングの効き具合に期待してAnker Soundcore Life Q30を選択した。

私が魅かれたAnker Soundcore Life Q30の機能

  • ノイズキャンセリング機能
  • ワイヤレス接続
  • そこそこの高音質
  • 電池持ちが40時間(ノイズキャンセリングモード)
  • 税込8,990円という圧倒的な低価格
付属のハードケースと説明書
ハードケースを開けたところ

 箱の中には、ハードケースと説明書が収められており、そのハードケースの中にヘッドホン本体とケーブル類が入っている。

付属のAUXケーブルとUSB Type-C / Type-A変換ケーブル

 有線で聴くときはAUXケーブル(両側がステレオミニプラグになっている)でスマートフォンやモバイルプレイヤーとヘッドホンとを接続する。一応音が出るのは確認したが、おそらく出番はないであろう。充電用に入っている USB Type-C / Type-A変換ケーブルは出先で充電したくなったときのために役立つかもしれないので、一応どちらもケースと一緒に持ち運ぶことにしようと思っている。

現在充電中

 家の中では騒音は感じられないのでノイズキャンセルの効き具合を確かめることはできないのだが、ちょっと試してみたところ音質は問題ないと感じられた。

 使い勝手や音質のレビューは、しばらく通勤で使ってからにしたい。特に期待しているのは、ノイズキャンセリング機能の効果である。

 さて、これで通勤時の苦痛が少しは和らげられるだろうか。