ラテン音楽、サルサが好きな人なら御存じ、サルサの重鎮Eddie Palmieriの代表作である。このCDはEddie Palmieriとしては珍しく、生音のピアノだけではなく、ハモンドオルガンやシンセサイザーなどを多用した作品となっている。
どの曲も素晴らしいが、1曲目のRevolt/La Libertad Logico、3曲目のVamonos Pa’l Monte、5曲目のYo No Se、6曲目のComparsa de Los Locosが特にお気に入りだ。 Vamonos Pa’l MonteはIn Concert At The University Of Puerto Ricoの冒頭で、暴力的なまでの迫力で演奏される名曲だ。ハモンドオルガンのうねりと打楽器の洪水に身を浸せば、リズムに合せて体を動かさずにはいられない。
一転してYo No Seはゆったりした曲調でしっとりと歌を聴かせるタイプの曲。そしてComparsa de Los Locosは打楽器のリズムが前面に出た迫力満点の作品だ。まさに打楽器に始まり打楽器に終る曲と言って良いだろう。
ところで、このCDには、オリジナル版の他に「Masterworks」といふ副題(?)のついたバージョンがある。こちらはオリジナル版に収録の6曲に加え、ボーナストラック4曲が収録されている。私はEddie PalmieriのCDは40枚以上所有してゐるが、このボーナストラックとして収録されてゐる音源は他のどのCDでも聴くことのできない貴重なものだ。9曲目に収録のMixed Marriageと10曲目のMoon Craterとは特に貴重。楽曲自体が他では聴くことのできないものだからだ
私はこの「Masterworks」版が発売される前にオリジナル版のCDを所有していたため、「Masterworks」版を新たに買いなおすこととなった。これから入手するのなら、Masterworks Vamonos Pa’l Monteを買うほうが無難だろう(註)。
お薦めの一枚だ。
註:執筆当時のはなし。2021年8月現在、Masterworks Vamonos Pa’l Monteは品薄のため入手困難になっている。